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「ゴルフはもうできないと思っていたけれど…」
――ブラインドゴルフを始めて、何年ぐらいになるんですか?
永田直行(プレイヤー) 3年目です。私、中途失明なんです。サラリーマン時代にちょっとやってたんですよ。
目が見えなくなって、治療院を開くための盲学校に行ってね、資格を取って。ゴルフはもうできないと思ってたんですけど、ブラインドゴルフというのがあるよと聞きましてね、それはもうぜひやりたいということで、それから始めたんです。
球が見えないものですからね、もう自分で打つだけのことに集中できるというか……。それでも、シングルハンディキャップにはなれませんけどね。
――ガイドさんの存在も大きいでしょうね。
永田直行 ああ、そうです。私は女房をガイドにしていますけど、彼女はまだゴルフを知らないもので。今日は、杉山さんという方にいろいろアドバイスして頂いています。
健常者と同じルールでできる、唯一のスポーツ
――ブラインドゴルフの一番楽しい点って、どんなところですか。
三笘信彦(プレイヤー) 健常者と同じルールでできる、私たち視覚障害者の唯一のスポーツだと思います。やっぱりそれが楽しみですね。健常者とできるということが僕らの喜びでもありますし。ええ。
――もっともっといろいろな大会ができるといいですね。
三笘信彦 そうですね。これからもどんどんこういう大会に呼んで頂ければありがたいと思います。
プレイヤー自身の目となって
――ブラインドゴルフを始めて何年ぐらいになりますか。
飯田眞喜男(プレイヤー) 大体、7、8年です。
――今日はどんな点にポイントを置いてガイドをなさったんですか。
富田 敦(ガイド) 今日は、できるだけ普段の練習どおりにということにポイントを置きました。私自身は、彼の目となって方向を設定したりという役目です。
――今日のコースは難しい?
富田 敦 難しいですね。グリーン回りが特に難しいです。
――今日の目標は、どのあたりに置いておやりになります?
飯田眞喜男 ハーフで60を切るように、がんばりたいと思います。
富田 敦 やっぱりアプローチ、ショートゲームも課題ですね。
お互いに楽しめるのが、ブラインドゴルフのいいところ
――ゴルフしていらして、一番いいことってどんなことですか。
深沢宏明(プレイヤー) なんでしょう? こうやって健常者の人との付き合いが広くなったということかな。どうしても視覚障害者は視覚障害者の仲間になっちゃうんだけど、こうやってボランティアをやって頂いたことによって、そういう人たちも、付き合いが広くなったというところがいいところだと思います。
――そうですよね。
深沢宏明 いろいろわがままばかり言ってますけどね。こうしてとか、ああしてとかと言って。
――ガイドするほうとしてもやっぱりそうですよね。広がってきますよね。
近藤ヨシオ(ガイド) そうですね、やっぱり弱者といいますか、そういう方たちと一緒にこういうことができてね。そういう中でボランティアみたいなことで、障害者の人といろんなことができるというのは貴重です。なかなか普通はできないですからね。
お互いに楽しみながらボランティアできるというのが、ブラインドゴルフのいいところなんじゃないかと思います。
「してあげたいこと」ではなく、相手が「望んでいる」ことを
――ブラインドの方と接してみて、いかがでした?
前田アユミ(ガイド) 皆さんお元気で、目が不自由だというふうには全然思えないですね。お言葉も達者ですし、笑わせて頂くようなお話をたくさん伺えて。
――彼らと接して、何か参考になりますか?
前田アユミ そうですね。くじけないで、自分自身も頑張ろうと思いますよね。ああいう方々と接していると。身近な人間で身障者もいますので。
私にとっては、身近な健常者とは違う人たちに、「自分がしてあげたいこと」ではなくて、「そういう方々が望んでいること」は何かな? と考えながら動けたらなと思っています。
――そういったふうなお考えは、仕事の上にも役に立つでしょう。
前田アユミ そうだといいんですけどね。忙しさばかりで、なかなかそういうのを前面に出す時間がなかったりもするので、何かチャンスがあればと思っているところです。
――普段のお仕事では、いわゆる人間を相手にしていらっしゃるということで、人と接するときに思いやりとか、今あなたがおっしゃった、この人は何をしてほしがっているのか、ということを考えてみるみたいなことが大事なことになりますよね。
前田アユミ そうですね。身障者の方だけではなくて、一般の人たちの間でもそういうことというのはなかなか忘れがちなことなので、こういった機会にたくさんのそういうニュアンスを頂いて帰れればと思っています。
気持ちが前向きな選手の方々から、元気を頂いています
――どんな点で、自分にとっていいことだというふうにお感じになりました?
イワタトシアキ(ガイド) 日常生活をしていると、普段、生きていく上での幸せだとかそういうような感覚が麻痺してくると思うんです。ですけど、こういう大会に参加することによって、今置かれている環境とか自分の立場というものをもう一度考え直してみて、すごく幸せなんだなというのがよくわかりました。
何か心が洗われる感覚を味わわせて頂いたり、身体障害者の方もそうですし、ブラインドの方も明るい方が多いというか、気持ちが前向きな方が非常に多い。僕なんか、参加すると逆に元気を頂いてしまうというか、そういうような感覚がありまして参加させて頂いております。
――自分を見る鏡みたいになるわけなんですね。
イワタトシアキ そうですね。
――でも、イワタさんまだお若いのに、よくそういったふうな活動にお入りになれますね。
イワタトシアキ はい。
――遊びたい盛りじゃないですか。
イワタトシアキ 身体障害者のボランティアに参加させて頂いているんです。たまたま縁があってブラインドゴルフに参加させて頂いたのが始まりで、今回も非常にいい機会だったので、参加させて頂いております。
プレーされる選手方の前向きな気持ちとかそういうものを私も頂いて、自分自身の前向きさというのにもプラスにさせていければ、と考えています。
ガイドの存在は大きいです
――ブラインドゴルフをやっておられて、一番いいこととか、楽しいことってどんなことになりますか?
目 利幸(プレイヤー) そうですね。こんな自然の山を歩いたりというのが一番いいと思いますね。はい。
――ガイドさんの存在って、大きいですよね。
目 利幸 大きいですね。背は小ちゃいんです。(笑)
――どんなところに一番ポイントを置いていますか?
目 のりこ(ガイド) ポイントですか? 私はあまりゴルフもしませんし、詳しくわからないので、主人の言うとおりにやるだけです。
――でも、ガイドさんというのは、例えばプレーヤーの心も読んでおかないといけないし、芝も読まないといけない。腕も読まないといけない。
目 のりこ そうですね。難しいですね。
――大変なお仕事ですよね。
目 のりこ ね。大変です。
目 利幸 どうもありがとうございます。
――さあ、次の目標ができましたね。そうしたら。
目 利幸 そうですね。今日のスコアよりも1つでも縮めるということです。
ゴルフができることが本当にうれしい
――ブラインドゴルフを始めて何年ぐらいですか?
土屋豊治(プレイヤー) 3年半ちょっとですね。
――3年半ですか。ゴルフの上達が速いですね。
天野敏明(ガイド) そうですね。土屋さんは若いころ野球もやっておられたということで。
彼は非常に飛ばすんですよ。自分たちよりも距離が飛びまして、後半ドライバー使ってまっすぐ当たってきましたね。
――ブラインドゴルフをされていて、一番いいことってどんなことですか?
土屋豊治 自分の力で、晴眼者の人と一緒のルールでできるということと、こうやってキャディーさんに見てもらって一緒に回れるということ、でしょうか。
夕べもキャディーさん、ガイドの人と夜遅くまでいろんな話をしていました。そういうことも、ゴルフと同じように楽しみですね。
――なるほど。ガイドさんの存在というのは大きいですね。
土屋豊治 大きいですね。彼らがいないと、我々は試合に出られませんから。
――ガイドさんというのは全部つかんでいないといけないんですね。ゴルファーの心の中までつかんで。
天野敏明 いや、そこまでではないですけれどね。でも、みんなほんとうに熱心に練習をやっていますし、こういう大会を楽しみにしていますね。
ほんとうにゴルフができるということはうれしいという気持ちで、胸がわくわくして出てるんじゃないかと思いますよね、ほんとうに。
――大会って、楽しいですよね。
土屋豊治 楽しいですね、ほんとうに。
JAS主催 ブラインドゴルフ大会(北海道)にて
(2001年5月 JAS旭川カントリークラブ)