日本におけるブラインドゴルフ(視覚障害者によるゴルフ)の始まりは、1988年、当協会の半田晴久名誉会長がオーストラリアでロン・アンダーソン氏(視覚障害者)と出会ったことにさかのぼります。半田名誉会長は、ゴルフを通じて彼の人柄やプレーに深い感銘を受け、日本の視覚障害者の方にも、ブラインドゴルフの素晴らしさ、楽しさをぜひ知ってもらいたいと決意し、同年にブラインドゴルフ倶楽部を設立致しました。
半田名誉会長は、さっそくオーストラリアを中心に、海外におけるブラインドゴルフの実情リサーチを開始。同時にブラインドゴルフのトーナメントの開催を呼びかけ、実体験を積み重ねてきました。
その結果、新しい時代の真の福祉活動のあり方が、ブラインドゴルフを通じて実現できることをますます確信したのです。すなわち、
- 視覚障害者がハイクオリティ・オブ・ライフ(質の高い生活)を享受しつつ、明るく発展的な生き方を可能にする、数多くのチャンスを得ることが出来る。※ブラインドゴルファーは最大限、自分ですべてのアクションを実行するよう義務づけられています。
- 晴眼者(健常者)のボランティア活動が、奉仕者自身の精神的、かつ肉体的向上につながる。ブラインドゴルフという具体的なスポーツを共有体験することにより、障害者の自己実現の手助けをし、真実の福祉や公共性・教育性・文化性・国際性などをふまえた、新しい時代の福祉の理想を実現することができる。
このように、ボランティアにとってもゴルフというスポーツを通じて、視覚障害者やボランティア同士との明るく楽しい交流と、自らの心の豊かさや人間的向上をはかることができるのです。
また、ハンディキャップを背負った人々の生活体験領域を広げるとともに、こうした、社会的意義を啓蒙しようとするボランティア団体の登場が、我が国の福祉文化の向上につながるはずです。
ところで、海外の先進諸国に目を向けると、英国ブラインドゴルフ協会、オーストラリアブラインドゴルフ協会、全米ブラインドゴルフ協会など、率先して活躍している団体が数えられます。また、世界的に知名度の高いツアープロ、ゲーリー・プレーヤー(南ア)、ニック・ファルド(英国)、リー・ウェストウッド(英国)、ペイン・スチュアート(米国)、テリー・ゲール(オーストラリア・日本)らの熱心な協力もあり、国際的な広がりのある福祉事業にもなりつつあります。
ようやく日本でも、ブラインドゴルフ・ジャパンオープンや世界大会が定期的に開催できるようになり、設立当初と比べると、理解度が大きく変わってきています。しかし、まだまだブラインドゴルフの存在すら知らない人が数多くいます。この分野では、まだまだ日本は後進国だと言えます。
こうした経緯と背景を鑑み、1988年に始まった、ブラインドゴルフ倶楽部を、1991年に半田名誉会長の呼びかけで、日本ブラインドゴルフ振興協会(旧・日本盲人ゴルフ協会、略称「JBGA」となったものを改称)として、再スタートさせたのです。
特定非営利活動法人 日本ブラインドゴルフ振興協会
(JBGA)